XL 不定法(2) §398 練習問題76 解答

ギリシア語入門 新装版(岩波書店, 田中美知太郎 / 松平千秋, 第14版(2025))p.102–103

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本ページは「解答(逐語訳・語法の整理)」のみを提示します。練習問題の本文(原文)は転載しません。 原文は書籍(p.102–103)を参照してください。

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解答(逐語訳・解析)

1

和訳私は、しかし、また、自分自身も、ほとんど、自分自身のことを、忘れるところだった。

主要語形
  • ἐγώ(人称代名詞・1人称単数・主格)→ 私は
  • δέ(接続詞)→ しかし/そして
  • καί(接続詞)→ また/そして
  • αὐτός(強意代名詞・男性単数・主格)→ 自分自身も
  • ὀλίγου δεῖν(成句)→ ほとんど(=危うく…するところで)
  • ἐμαυτοῦ(再帰代名詞・1人称単数・属格)→ 自分自身のことを
  • ἐπελαθόμην(動詞 ἐπιλανθάνομαι・直説法・アオリスト・中動・1人称単数)→ 忘れた/忘れるところだった

注:ἐπιλανθάνομαι は目的語に属格を取る。

2

和訳死ぬことが、私には、必要である、たとえ、私は、望まなくても。

主要語形
  • θανεῖν(動詞 θνῄσκω・不定法・アオリスト・能動)→ 死ぬこと
  • με(人称代名詞・1人称単数・対格)→ 私に(=私について)
  • δεῖ(動詞 δεῖ・直説法・現在・能動・3人称単数・非人称)→ 必要である(=…ねばならない)
  • κἄν(=καὶ ἄν)→ たとえ…でも
  • μὴ(否定辞)→ …ない
  • θέλω(動詞 θέλω・直説法・現在・能動・1人称単数)→ 私は望む

3

和訳我々は、荒れた平原を通って、進んでいた、そして、我々は、食糧を持たないことのために、死にかけていた。だが、友人たちは、長い時間の後にではなく、来て、そして、我々を救うことが、できた、その結果、死なないように。

主要語形
  • διά+属格(前置詞句)→ …を通って
  • ἔρημος(形容詞)→ 荒れた
  • πεδίον(名詞)→ 平原
  • πορεύομαι(動詞;未完了過去・中動)→ 進んでいた
  • ἀποθνῄσκω(動詞;未完了過去・能動)→ 死にかけていた
  • διὰ τὸ+不定法(原因)→ …することのために
  • σῖτος(名詞)→ 食糧
  • ἔχω(不定法)→ 持つこと
  • πάρειμι(動詞;アオリスト)→ 来た/現れた
  • δύναμαι(動詞;未完了過去)→ できた
  • σῴζω(不定法)→ 救うこと
  • ὥστε+不定法(結果)→ その結果…するように
  • ἀποθνῄσκω(不定法・アオリスト)→ 死ぬこと

注:未完了過去は「完了した死」ではなく「死に瀕していた」ことを表し得る。

4

和訳彼は、父が、その病気を、免れたと、言う。

主要語形
  • φημί(動詞;直説法・現在・能動・3人称単数)→ (彼は)言う
  • διαφεύγω(動詞;不定法・アオリスト・能動)→ 免れること/逃れること
  • πατήρ(名詞;対格で用いられる:目的語構文の素材)→ 父
  • νόσος(名詞;対格)→ 病気

注:φημί は「(…と)言う」。内容は不定法構文で提示される。

5

和訳我々のところでは、逃げることと、戦いの中で盾を捨てて去ることとは、恥ずべきことである。

主要語形
  • αἰσχρός(形容詞;中性:述語用法)→ 恥ずべき(こと)
  • παρά+与格(前置詞句)→ …のところでは/…の間では
  • εἰμί(動詞;直説法・現在)→ である
  • φεύγω(動詞;不定法・アオリスト)→ 逃げること
  • καταλείπω(動詞;不定法・アオリスト)→ 捨てて去ること/置き去りにすること
  • ἀσπίς(名詞)→ 盾
  • ἐν+与格(前置詞句)→ …の中で
  • μάχη(名詞;与格)→ 戦い

注:不定法が並列され、両者が「恥ずべきこと」として一括評価される。

6

和訳貧しくあることが、恥ずべきことではなく、むしろ、貧困を勇敢に耐えないことが(恥ずべきことである)。

主要語形
  • οὐ … ἀλλά …(対照構文)→ …ではなく、むしろ…
  • πένομαι(動詞;不定法・現在)→ 貧しい状態であること
  • τὸ+不定法(名詞化)→ …すること
  • ἐπονειδιστος(形容詞;中性:述語用法)→ 非難されるべき/恥ずべき
  • φέρω(動詞;不定法・現在)→ (比喩的に)耐えること
  • ἀνδρείως(副詞)→ 勇敢に
  • πενία(名詞;対格)→ 貧困

注:後半は「…である」が省略され、述語(「恥ずべき」)は前半から補われる。

7

和訳もし父が命じるなら、父に従うべきである。

主要語形
  • χρή(非人称的用法;不定法を伴う)→ …すべきである/…する必要がある
  • πείθομαι(動詞;アオリストⅡ不定法が用いられる)→ 従う
  • πατήρ(名詞;与格で「…に」)→ 父に
  • ἐάν(接続詞;接続法を伴う条件)→ もし…なら
  • κελεύω(動詞;接続法アオリストが用いられる)→ 命じる

注:条件節は ἐάν+接続法。主節は χρή+不定法の義務表現。

8

和訳我々の兵士たちは、敵が川を渡る前に、橋を壊してしまっている。

主要語形
  • γέφυρα(名詞;対格で目的語)→ 橋を
  • λύω(動詞;完了形が用いられる)→ 解く/壊す(=壊してしまっている)
  • ἡμέτερος(所有代名詞的形容詞)→ 我々の
  • στρατιώτης(名詞;主格)→ 兵士たちは
  • πρίν(接続詞;不定法を伴い「…する前に」)→ …する前に
  • πολέμιος(形容詞の名詞用法)→ 敵(たち)
  • διαβαίνω(動詞;不定法)→ 渡る
  • ποταμός(名詞;対格)→ 川を

注:πρίν+不定法で「…する前に」。完了は結果状態(「壊した結果、壊れている」)を表し得る。

9

和訳私はその男に善くする、その結果、彼が私にとって、いっそう友であるように。

主要語形
  • ἀνήρ(名詞;対格で目的語)→ 男を(その男を)
  • εὖ(副詞)→ よく/善く
  • ποιέω(動詞;「…に善くする」の語法)→ する/(人を)よく扱う
  • ὥστε(接続詞;不定法を伴い結果を示す)→ その結果…するように
  • μᾶλλον(副詞)→ いっそう/より
  • φίλος(形容詞の名詞用法)→ 友(である)
  • εἰμί(動詞;不定法)→ であること
  • ἐγώ(代名詞;与格で「私にとって」)→ 私に(とって)

注:ὥστε+不定法は結果(「…するようになる結果」)を表す。

10

和訳我々は、彼が意向を示す前に、これらのことを行うだろう。

主要語形
  • οὗτος(指示代名詞;中性複数で「これらの」)→ これらの
  • ποιέω(動詞;未来で「行うだろう」)→ 行う
  • πρίν(接続詞;不定法を伴い「…する前に」)→ …する前に
  • αὐτός(代名詞;対格で不定法の主語要素)→ 彼を(=彼が、の内容)
  • βούλημα(名詞;対格で目的語)→ 意向を
  • δηλόω(動詞;不定法)→ 明らかにする/示す

注:πρίν+不定法で「…する前に」。不定法句の中で αὐτός が内容上の主語として機能する。