LIBER USUALIS
〈1.5万年前〉ゲームをしましょう!〈トノイゲーム冒頭あり〉
漫画

オンリーで頒布した小説『LIBER USUALIS ―τονοι game―』の冒頭です。
購入していただいた方はありがとうございました!
載せるのも倫理的でないので載せませんが、冒頭だけどうぞ!
初出 2026 7/19頒布
「ゲームをしましょう」
「いやですが」
新暦で五二世紀末、花の国の首都。突然ラティアの居城を訪ねてきたアリースィアはそんな事を言った。
アリースィアは生粋の『物語狂』だ。『物語狂』とは、人間の生き様が好きで好きで仕方がないタイプのことである。
どのくらい好きなのかといえば――ラティアは五千年ほど引きこもっていたので最近知ったのだが――『冒険世界二十七星』という異界を作って自領の人間を移住させ、天変地異とか魔王とか魔法スキルなどの試練を与えて鑑賞しているらしい。
邪神の所業だ。
「まあまあ、話は最後まで聞くものですよ」
「だって、アリーの提案はとりあえず断れってコウィが言ってたし」
「……魔法なし数秘術なしの縛りでダンジョンに突っ込んだの、まだ根に持ってるんでしょうか」
「じゃあそういうことでいい?」
「待ってください。今回のは、すっごくまともなやつです」
アリースィアは、室内に魔力を広げた。赤を基調になにかドロドロした人間性による美の呪術といったようなエネルギーに、ギラギラと青白い星の瞬く世界が広がる。端的に言って、センスがよく分かんないし、普通に面白くない。なんかわたしの部屋が汚れそう。たぶんわたしの気を引こうとしてるんだろうけど、だったらもっと軽快でメルヘンでハッピーな感じにしないと
「これはもう、めちゃくちゃハッピーになれるゲームなんです」
「とりあえず話だけは聞くよ?」